フジファブリック @ mito LIGHTHOUSE 2008.04.17

正直、フジファブリックには裏切られっぱなしである。

初めて見たときはROCK IN JAPAN 2005。
このときは何しろ初モノであったため、「なるほど、こういうライブをやるのか」程度でしかなかった。ただ、「虹」「TAIFU」「ダンス2000」「茜色の夕日」「銀河」「陽炎」と、名曲オンリーのセットリストであり、大満足だったのは確か。まあ個人的には「笑ってサヨナラ」「花屋の娘」などの妄想系を期待していたため、少々残念な感はあったが、何しろフェスで真っ昼間、しかも2番手ともなればそんな怪しい曲を演じている暇はないのだろう…と納得。


そして、ROCK IN JAPAN 2006。
今回もまあ夏。二度目ともなれば、更に変な曲を聴いた見たくなる頃。去年とちょっと変わって、妄想が更に膨らんで系をお願いしたいなぁ…と考えていた。だが、その予想はもろくも崩れ去り「TAIFU」「ダンス2000」「銀河」「陽炎」「虹」…後何曲かやった気がしますが、とにかく前回とほぼ同じ!
"夏は簡単には終わらないのさ"くらい歌ってくれよ!夏なんだし! 四季盤出したじゃん!


そして次は昨日本人たちも言っていた、トライセラとスプリット@水戸。
そのときの季節は正に秋。秋である。季節感のあるフジファブリックのことだ、ニューアルバムの曲ももちろんだが、秋っぽい曲をやるだろう!と思っていた。
しかし、秋らしい曲でやったのは直前にシングルで発売された「茜色の夕日」のみ。季節的にはアウトなはずの「銀河」「陽炎」は、ばっちり好演。
おいっ!「赤黄色の金木犀」とか「線香花火」とか「サボテンレコード」とかやらないのかっ!んで、もっと変な曲が聴きたいんだって!「環状七号線」とか「お月様のっぺらぼう」とか、ああもうさらに言っちゃえば妄想全開の「花屋の娘」「笑ってサヨナラ」なんだって!
2回目のアンコールも何故か「NAGISAにて」。悪くない、悪くないけど、もっと別の曲があるじゃないか…


しかし、裏切りはまだ終わらない。

昨年のROCK IN JAPAN 2007にて。
さんざん裏切られ続けた我々は既に半ば悟りの境地。
「はい、虹ですねー」
「はい、ダンス200です」
「はいはい、当然陽炎もやりますよね」
「おお、線香花火!これは初だな…」
「うん、銀河ね、銀河ももちろんです」

…はい。まあ、そんな感じです。心のどこかで「花屋(略)」「笑って(略)」を求めていたのですが、2007年、4度目にして「信じなければ裏切られることはない」という言葉の意味を知りました。




そして今回の水戸。今回は平日である。平日といえば仕事。
ということで、今日のフジファブリックは残念ながら開場前に到着ならず、到着したときは既にチケットの番号は呼び出しされた後。そそくさと番号が後の人と一緒に会場内へ。

到着するとすぐに開演。どうやら開演ちょっと前についたらしい。


実はこれまで見てきたフジファブリックは、フェスやスプリットで演奏時間が少々短かったのだ。しかし今回はなんとワンマン。やりたい放題なのは間違いない。

しかも直前、どこかのインタビューで志村は「最近、お客さんが何を求めているのか分かるようになってきた」様なことを言っていた。そうなんですよ、僕は季節感と変態的なモノをあなた方に求めているのです。そしてその言葉を象徴するかのように、今回のアルバム「TEENAGER」にはシングル「蒼い鳥」をさしおいて、カップリングの「東京炎上」が入っている。
蒼い鳥も気持ち悪い(ほめ言葉)曲なのだが、東京炎上は最高に僕好みの変曲。レコ発のライブ→アルバム曲を網羅→東京炎上→大満足という図式が簡単に成り立つ。
僕はもう一度、もう一度フジファブリックを信じてみようと思ったのだ。


ライブが始まり、1曲目は予想通り、アルバム1曲目「ペダル」
アルバムの曲をどんどん網羅していき、途中途中で「サニーモーニング」「唇のソレ」といった曲がアクセントで入ってくる。

アルバム収録曲「ロマネ」はドラムが印象的。というか、もう「We Will Rock You」なんすけどね。歌詞にも「ウィーウィルロッキュも歌える」なんて入ってますし。
ただ、クイーン好きに言わせると、「We Will Rock You」の「ドンドンタン」は足踏み足踏みハンドクラップが正しいんです。
ロマネの後、急に空気が張りつめる。何となくやばい曲が来そうな雰囲気的。これは東京炎上かっ!…と思ったら、アルバムに入らなかった「蒼い鳥」。いや、まあ、シングル曲だし、完全に気持ち悪いから良いんですけど、またもや予想が外れる結果に。

その後、ライブは粛々(今回はホント、粛々ってかんじ)とすすみ、茨城の大スター金澤ダイスケ作曲の「星降る夜になったら」を演奏。そして、またも雰囲気的に次は「TEENAGER」でライブは締め!な感じ。
しかし「TAIFU」。またもや予想が外れ、「何でTAIFU?」と、声にならない声を出す自分。
その後、今度こそ「TEENAGER」、「銀河」をやって本編は終了。

そして、期待のアンコール!
アンコールは「ダンス2000」「虹」…。


つーか、桜の季節は!さ・く・ら・の・き・せ・つ!
「桜の季節過ぎたら遠くの街へ行くのかい?」なんて、今やらないでどうするのよ! 桜並木もそうだし、ああ、花屋もそうだ、環七もそうでしょ。朧月夜なんて正に今の季節じゃないの!結局「東京炎上」もやらずだしムキー!

終わった後うちの弟(ちょっと離れたところで見ていた)が声を掛けてきて。
「最後『何で虹?』って思ったろ(ニヤリ)」
ああ、思ったとも思ったとも。というかそう言うお前も思ったはずだ!



今回、アンコールは1回。前回はさっきも書いたとおり2回アンコールがあったのだけど、今回の水戸は、志村の声がすごく辛そうだったので、そのあたりもあって1回なのかもしれない。声が裏返りそうで裏返らないという、「パッションフルーツ」の時は見ているこちらが少々冷や冷やするくらいだったので、まあ仕方ないような気がする。




で、ここまでこんなにひどく書いたけど、それでもやっぱりフジファブリックは良い。いいんです。
もし今回「花屋」やられてたらそれはそれでがっかりしていた気がする。
僕とフジファブリックということで言えば、信じ続けても全く報われなくて、「もう信じない!」なんて言ってもやっぱりまた信じちゃうという、ダメ女ダメ男みたいなマゾっ気のある関係が丁度良いのかもしれない。

と、いうわけで、今年の夏フェスも華麗に裏切ってもらいたい。もちろん「線香花火」「花屋の娘」「赤黄色の金木犀」はばっちり期待してますから。
これから裏切られることを考えたらなんだか逆に楽しい(笑)


まあでも「桜の季節」聞きたかったなぁ…