ケータイとスポーツと相対性理論

 1年以上前から運動を続けて、今月になって体重が70kgに乗ってきた。(測定時によって、69kg - 71kgまでずれる)

 さんざんで聞き飽きてきた人もいると思うけど、これぞ運動のたまもの。ジムで自転車(エアロバイク)、ランニングなどの有酸素運動を行い、筋トレがプラスされるくらいの運動をこの一年間行ってきた。
 ところが最近は、ジム通いが少なくなってきた。
 と言うのも、運動が外のランニング主体に切り替わってきたからだ。


 ジムで走る場合、当然走るのはランニングマシーンの上で、ぐるぐる回る無限軌道上をてくてく走る。この場合、形としては「走っている」のだけど、実際にはベルトが常に動いているので足が勝手に回る。そうすると、体を前に蹴る分の負荷がかからないのだ。実際にやってみると、土の上を走るよりも相当楽なのだ。
 物理学的にはその場で足を動かす分のエネルギーしか消費しない。のだと思う。


 外を走るのはそれに比べると負荷がかなり上がる(と思っている)。
 70kgの重さの体を数キロ動かすエネルギーは間違いなく使うし、空気の抵抗も少なからずある。


 というのは主な建前で、実際はケータイを使ったランニングがことのほか面白いのだ。
 ケータイに内蔵されたGPSで自分のランニングの軌跡を残しておける。平均速度、走行距離、継続時間など、とにかくデータとして何でも残しておきたい僕のような人間には楽しくて仕方ない。
 後でデータをアップロードすると↓みたいに、撮影した写真と一緒にデータが残しておける。

8/12日のワークアウト

 楽しすぎる。


 でも、GPSの精度があまりよろしくない。
 遠出用に使用する「パソコン地図+GPS」では、きっちり道路に沿って GPS のラインがトレースされる。GIS (簡単に言うと、道路からはみ出さない様にする機能) のお陰もあるとは思うのだけど、ケータイにはその機能がないからなのか、上の URL を見てもらうと分かるとおり、線が地図に全く沿わないのですね。


 で、何とかGPSの精度を向上させる方法はない物か…とネットを巡っていると、GPSの精度についての面白い話を見つけた。



 GPS衛星の時計は、地球上の時計よりちょっとだけ進むのが遅いらしい。
 ここでタイトルの「相対性理論」が登場する。
 衛星の移動速度というのは秒速数キロにおよぶ。衝突した際にはエアバッグがあっても助からない危険な速度である。で、そこまで高速で移動している衛星から発信された電波を地球で受け取る場合、相対性理論で説明される「時間と空間の歪み」の影響を無視できない、というのだ。

 で、その影響がどれくらいあるかというと、地球上の時計をそのまま衛星に持ち込んで使うと、一日辺り1万分の1秒時計が遅れる程度らしい。
 1万分の1秒? たいしたこと無いなぁ…と思っていたら、1万分の1秒遅れると言うことは、光が進む距離の1万分の1誤差が出ると言うことで、その誤差はなんと30kmになるらしい。
 一日辺り30kmずつずれるカーナビなんて、使い物にならないって!



移動すると、時間はゆっくり進む
移動すると、物の長さが縮む

それは、光以上に早く進む物はないから。


 あー、すげえ。細かい理屈は分からないけど、なんか、凄く感動しております。
 まさか運動して相対性理論にぶつかるとはね。
 12歳の時に読んだマンガの内容が、30歳になっておぼろげながらその正体が見えてきた。サンキュー手塚先生。間違いなく、あなたが監修した「まんが・アトム博士の相対性理論」のお陰ですよ、この話に今更ときめいてしまったのは。


 まあ結局、GPS の精度はこれ以上上がらないらしいけど、すごく満足です。
 昨日の記号BA-90の話とは大違いだなぁ…