くるり。
ライトハウスでのくるりは、なんと7年振り。
はぐれメタル純情派の時以来、ということになります。
僕自身、くるりの単独を見るのはそれ以来です。
もちろん、フェスでは何度かお目にかかっておりますが。
くるりは思い入れが深いバンドです。
ワンゲルで誰より高く跳びはね、岸田さんに笑われたのも丁度ライトハウスだったはずです。
(正確には、曲でとび跳ねている途中で岸田と目があって、スゲー楽しいぜ!って笑ったら向こうも笑ってくれたという、他人に話すと80%強で気持ち悪がられるという事象です)
仕事が終わり、急いで会場へ!
なんとか間に合ったのが「すけべな女の子」。
すけべな女の子は、曲自体は結構前からあったんですが、音源化されたのは「男の子と女の子」のカップリングだった気がします。
2002年の「うんぽこどっこいしょ」ツアーの時、ライトハウスでのアンコールが確かこれだったような。
その時は「アンコールなんて本当はないものなんですよ」と言いながらステージ上で何をやるか決めていましたっけねえ。
すけべな女の子 祭りの終わりに間に合うかな
ライブは本当に素晴らしい。
並みのバンドなら「今日は新曲を持ってきました!」と言われても盛り下がってしまうのが普通です。
しかし、くるりの場合は違います。
新曲はくるりの新しいモードです。
くるりの新曲、argentina は間違いなく、くるりの新しいモードを示しています。
しかし新しいモードを見せるだけでなく同時に前作「言葉にならない、笑顔を見せてくれよ」から続くくるりの思想も脈々と流れています。それは「WHITE OUT HEAVY METAL」も、このライブ最後に演奏された「Everybody feels the same」も
聞いたら泣くぞ!と事前に宣言していた「ばらの花」、やってくれました。
…もちろん泣きました。
そして今回何より驚いたのは「春風」。
何度もくるりのライブに行っていますが、僕はなぜかこの曲だけは聞くことがなかったんですね。
いろいろ理由はあると思うんです。みんなが知ってるような理由も。そうでない理由も。
昔からくるり聞いてる人なら知ってると思いますが、シングル「春風」は初代ドラマーのモッくん在籍中の曲ではあるのですが、ドラム叩いているのはモッくんではないんです。
今回のツアーでサポートドラマーとして参加している、あらきゆうこさんなんですね。
意外なところでオリジナルメンツ+新メンバーによる「春風」を聞くことができました。
気づいたら雨が降って
どこかへ行って消えていき
手を握り確かめあったら
眠ってる間くちづけして
少しだけ灯を灯すんです
いい。
良い歌詞ってのは、その歌詞を聞くだけで風景が思い浮かびますよね。
逆に中身も何もない歌詞ってのは、まったく風景も情景も浮かばない。
どっちが良いというわけじゃないんですけど、僕はインプットがある方が好きなんです。
そして、ライブ終盤には「ブレーメン」。
これも泣きます。泣けます。
前奏だけで泣ける。
アンコール一曲目は本人が「珍しい曲をやります」と宣言した「コンチネンタル」。
確かに珍しい。でも、ここでこの曲をやることにはやっぱり意味がある。
そして二曲目がワンダーフォーゲル。
この曲の思い入れはやっぱりひとしお。
「僕が何千マイルも歩いたら どうしようもない僕の事愛せるのかい?」
最後の曲はライブ一曲目と同じ(らしい)Everybody Feels the Same。
でも、登場する街の名前は原曲とは違って全て茨城県。
東電もいらない、関電もいらない。
くるりの存在は、やはり唯一無二でした。夏フェスがすごく楽しみです。