昨年末あたりから会社へは自転車で通っています。まあ、猫の額ほどにも健康にも気を使っている訳ですが。
乗り始めは痛かった尻も最近では全く痛くないし、防寒対策がここにきて完成を見たのと、手をかければかけるほど快適になる自転車ライフのおかげで、非常に楽しく通勤できています。
さて、うちの職場なのですが、正門近くに「守衛所」という守衛のおっさんが詰めている場所があります。ここで入門時に入門証を提示するのですが、当然チャリに乗ったまま入門証を見せてパス、って訳には行きません。当然チャリから降りて歩かなければならんのです。そこをすぎればまた自転車に乗っていいのでその前でだけ押して歩きます。
帰宅時は別に入門証を見せる必要はないのですが、守衛所の前はチャリを押して歩くという暗黙のルールの為か、誰もがチャリを押して歩きます。そして正門をすぎたとたんに勢い良くペダルをこぎ始めるのです。誰もが。
今日の帰宅時もいつも通りに守衛所の前を押し歩き、正門を出たところでさあ一気に加速…とペダルを踏み込んだのですが、チェーンが一気に外れてペダルから足を踏み外し転倒してしまいました。
しかも綺麗に一回転して、倒れたときは仰向け。
すると、冬の星空が目の前に広がりました。
ここまで自転車を必死で漕いできた為に身体も熱く、地面のひんやりとした感触もとても心地よいものでした。
しばらくそのままぼーっとしていると遠くから何かが近づいてくる音。
「だ、大丈夫ですか!!!」
そちらを見ると守衛のおっさん。
チャリで転んで起き上がらない僕を見てすっ飛んできた模様です。
まさかいい年の男がいい年の男に対して
「冬の星空って綺麗だな…と思って」
なんてロマンたっぷりに答える訳にも行かず
「え、えっと…足がちょっと痛いような…」
と非常に決まりの悪い返事をしてしまった為か
「医務室!医務室あるから!とりあえず医務室、ね!」
と、まくしたてる。
ご好意は大変ありがたいのですが、本当に大丈夫なんです。おかしいとすれば頭の方で…いや、頭を打ったとかそういう訳でもなく、ちょっとおかしな人なんです。すみません。
心配してくれているのをよそに、なんか面倒くさい感じで帰ってきてしまったのだけど…確実に申し訳ないから後で守衛さんにお菓子でも持っていこう。