2013年の8月2日は、僕にとって忘れられない一日になった。
今年の2月の時点でROCK IN JAPAN FESTIVAL 2013のチケットは3日全て押えていた。
しかし8月のRODEOの話を頂いたのが、6月のRODEOの時。つまりこの時点で(僕個人的に)ダブルブッキングなのだけど、断る理由は何もない。
クラブでのVJはとても楽しいし、多分お客さんにいい影響を与えられている。
しかも、既にゲストはほぼ中田ヤスタカとアスタラビスタで決定していた。
断る理由はない。
準備期間として本来2カ月は十分な時間のはずなのだけど、その間にDOTSがあり、CONNECTIONがあり、そしてDOTS TVが復活した。
毎週、毎日ライブする人ってどんな感じなんだろうなぁ…と途方もない想像をしながら、仕事が終わり家に帰ってくると映像を考える。はたしてそう呼んでいいのかはわからないけど、映像の割りとかを決めるコンテを描く。
映像は曲に対してつくので、どの人がどんな曲を流すのかが分からないと非常に辛い。でも、その人が流す曲を聴いてしまうという事は、DJに対して制限を付けてしまうという事に他ならない。
だから僕はこの一年くらい、セットリストをDJに聞いたりしていない。自分がDJで出る場合は確認の為に聞く事はあるけど、VJとして出演するときは「どんな感じになるんすか?」位でとどめておく。
DJの想像性が失われてしまったらそれはVJとして立つ意味がないので。
なので、これまでの傾向とかイベントの事を考えてこんな感じかなあ…と思いながら映像を作ったり集めたりする。
幸い、Mikeさん、MANABUさん、TAKESHIさんは以前のRODEOでも競演させていただいたし、HEADCASEにも何度も遊びに行って分かっている。もちろんイベントによって変えてくるのは分かっているけど、それでも全く何も材料がないよりは助かる。
問題はヤスタカさん…だったのだけど、直前にヤスタカさんの時のVJは東京の方が担当するという事になったので、一番の緊張はこれでほぐれることになった。
もちろん、やってみたかったという気持ちはとても大きかったので、少し寂しくはあったんですけどね。
じゃ、ゲストタイムは僕休憩だー、と思っていたのだけど、アスタラビスタのときは僕が担当という事だったらしい。
別件でライトハウスへ向かい、戻ってきたところで慌ててアスタラビスタ用の映像を作成する。
リハーサルも少し見させてもらえたので雰囲気をつかんでこれで何とか準備完了。
開演。
一番手はMike / TAKESHIの B2Bユニット「ダンバインズ」。
指定してもらったフォントでロゴを作成して何となく聖戦士っぽいエフェクトをかけた映像を作ったり、RODEOのロゴで作ったバックスクリーンを流したり…この辺りはMikeさんがアップしていた映像(これはダンバインズじゃないですけど)が自分でやっておきながら「カッコいいわこれ」と思ったので是非見てみて下さい(笑)
DJ Mike 8.2(FRI) RODEO PENTAGRAM BEAT ..
そして、ヤスタカさん登場の前、アスタラビスタの登場です。
アスタラビスタ…中年ラップグループと本人たちは笑っておりますが、中身は本当にとんでもないモンスターです。
基本、ラップとかHIP-HOPは本当にたしなむ程度の僕ですら知っている名前がたくさん。RYO-Z (from RIPSLYME)、Little (ex KICK THE CAN CREW) とか…
だから、楽屋に入った時(ステージへの通路なのです)に鼻血でそうでした。
楽園ベイベーとアンバランスの人です。こんな言い方で申し訳ないですが、こんな言い方しか出来ないくらいに訳分からなくなってました。
HIP-HOPでVJというのは初の経験だったのですが、これが上手く行ったのも間違いなくアスタラビスタの実力がとんでもなかったからです。
気分が乗ってるときって、何やってもVJうまくいくんですね。もちろん、後で見直すと反省点ありますけど、全体的な質は高いです。
曲もそんなに聞きこんでいたわけではないのですが、アガるアガる。VJやっててとなりでこれだけアガるんだからお客さんとかもっとすごかったんじゃないでしょうか。
ライブが終わったら今度はDJタイム。こちらは変わってエレクトロな感じ。
やっぱりすごい。
さて、そんなふうにアスタラビスタでVJとフロアが盛り上がっている間にヤスタカさんのVJさんが到着しました。
ステージ上で機材の設置等について軽く打ち合わせ、どんどんセッティングしてもらいます。こういうのも初めての体験で、現場ならではの事なので一つ一つを今後の糧にしていきます。
勿論、VJさんの機材もきっちり見させて頂きましたよ(笑)
その後僕はちょっとステージをおりてヤスタカさんのステージを眺めます。やっぱり映像と音がシンクロするとカッコいいですね。
実は、VJのあり方って何が正しいのかよくわかっていない所があります。
自分自身のVJはやはり主観的にしか見られません。
音とシンクロが取れた時が一番気持ちいいのは紛れもない事実だとして、PVだけ流してるのははたしてVisual Jockeyなのか。
とはいえイメージ映像だけだと長丁場のイベントの場合、繰り返しが多くなってしまう。
セットリストが解らない場合はもちろんイメージ映像主体にする必要がありますし、この曲が流れるかもしれない…で映像を準備するのにも限界がります。
…なんてことを考えていたら、休憩(仮眠)する間もなくあっという間にヤスタカさんのDJは終わり。
後はラストに向かって走ります。MANABUさん、そして3名によるB2B。
お客さんにシャンパンをふるまい続けるマサさん。二階席ではずっと最後まで残ってくれているASOBIチーム。
エンディングに向け、僕もロゴ主体のVJに切り替え、終演の雰囲気を少しずつ演出していきます。
残っているお客さんも少しずつ少なくなって、朝5時。
全てが終わり、撤収。
色々考えることはある。経験も得た。
でも、今はちょっとだけ寝よう。そして、また海浜公園に行こう。
音楽だらけの3日間。素敵じゃないか。