さよなら歌姫(しもんchuの話)

 年度末。別れの季節です。

  

 別れが寂しい理由はなんだろう、と考えてみました。

 

 

 

 出て行く側にしてみれば、自分のいた場所がぽっかり空いてしまう。

 時間が経てば誰かがそこを埋めてしまうという寂しさ。

 

 残る側にしてみれば、自分の一部だった人がいなくなってしまう。

 そしてその隙間が埋まっていないのにその人はどこかで新しい生活をはじめてしまう。

 

 恋愛という関係だけではなく、全ての出会いと別れがそんな理由で悲しいのかもしれないなあ、なんて思いました。

 

 

 

 

 

 

 僕が大好きなご当地アイドル、しもんchu。

 

 結成当初からメンバーとして活動していた「ゆいにゃん」そして「まりちゃん」が本日の定期公演をもってしもんchuから卒業となりました。

 

 

 

 色々考えましたが、やっぱりこの言葉が出てきます。

 

 

 

 別れは寂しいです。

 

 

 

 

 

 僕は元々ご当地アイドルは好きじゃありませんでした。

 そもそもアイドルが好きじゃありませんでした。

 

 

 曲というものは、作る人の気持ちが入るものです。

 ならば、曲も歌詞も、作った人が歌えば一番リアル。

 作った人が歌わないなんて、ナンセンスじゃない?

 

 

 

 多分アイドルが苦手な人は、僕と同じ様な事を思っていると思うのです。

 

 

 

 

 でも

「アイドルに歌わせる事を前提に、アイドルが歌った時に一番映える様な曲」

 と、作っているとしたら?

 

 

 

 こう考えが転換したのもしもんchuと出会ったおかげです。

 

 

 

 

 ご存知の通り、僕の推しは「しおりん」です。

 でも他のメンバーだって大好きです。

 

 

 

 きんぐさんは、すごく素直な人ですね。

 どれだけ隠そうとしても、内面がすぐに表に出ます。

 とても仲間想い。他人の気持ちを第一に考えられる人なんだろうな、と思います。

 

 

 

 まりちゃんは、ふわふわしているように見えますけど、完全に安定感の人です。

 ステージにまりちゃんが立っているだけでどれだけ安定感(安心感)が増すか。

 メンバーの暴走があっても安心してみていられるのはまりちゃんが逆の方向に暴走する事があるからです(笑)

 

 

 

 ゆいにゃんも、表ではきんぐさんへのいじりがきつかったりしますけれど、愛がないと出来ない事です。

 信頼していなければ単なる悪口になってしまいますし、もしそうだとしたら見ている側に簡単に分かってしまいます。

 仲間を誰より大事にしているのかな、と思います。

 

 

 

 だから、ゆいにゃんが言ったという「仲良しごっこじゃねえんだよ」という言葉。

 そんなゆいにゃんだから言えた言葉なのでしょう。

 そしてメンバー全員、しもんchuがみんな好きなんだろうな、と思います。

 

 その言葉が統括者や運営側から出るのではなく実際に動いているアイドルから出て、そういう風に衝突出来るのもそれが許されるのも、お互いを信頼しているから出来る事です。

 

  うまく言葉にできませんが、実際にどのステージを見てもそう思いますし、NO IDOL NO FUTURE等で舞台裏を見てもそう思います。

(今日のステージについても、新メンバーのまいまいもしもんchuの事が大好き、というのがよくわかるものだったので、まいまいが新メンバーで本当に良かったと思います)

 

 

 

 だからこそしもんchuの公演はライブ感がすごく強い。

 お互いを信頼しているからどんな無茶ぶりも無茶にならない。ファブ・ファイブ(最強の5人)だと思います。

 

 

 そんな五人だけど…まりちゃんとゆいにゃんは今日で卒業なのです。 

 自分の中にあるものが上手く出せないですね。

 気持ちが表現できない。

 

 気持ちよく送ってあげたいという気持ちはもちろんあります。

 もったいないという気持ちも少なからずあります。

 

 

 

 でも、お別れは言わなきゃなりません。僕がどう思っても、二人の卒業は変わらないのですから。ならば、精一杯頑張って気持ちよく送り出してあげたい。

 

 

 

 まりちゃん、ゆいにゃん、2年半の間、本当にお疲れさまでした。

 そして二人を待つこれから先の人生が、楽しいものであって欲しい、と心から願います。

 

 

 

 

 

 

 

 今日の公演の最後に内山Pがかけた曲は、クリープハイプの「おやすみ泣き声、さよなら歌姫」でした。

 これもしもんchuが大好きだからかけられたのだと思います。

 最後にその歌詞を。

 

 

おやすみ泣き声、さよなら歌姫

 

さよなら歌姫 最後の曲だね 君の歌が本当に好きだ

今夜も歌姫 凄く綺麗だね 君の事が本当に好きだ

 

さよなら歌姫 アンコールはどうする 君の事だからきっと無いね

それなら歌姫 アルコールはどうする 僕は全然飲めないけど

 

歌声 歌声 でも君は泣いていたんだね

泣き声 泣き声 僕は気づけなかった

 

僕も随分年をとったよ こんな事で感傷的になってさ

今なら歌姫やり直せるかな 君はいつも勝手だ

 

歌声 歌声 でも君は泣いていたんだね

泣き声 泣き声 僕は気づけなかった

 

最後の4小節 君の口が動く

最後の4小節 君が歌う

最後の4小節 君の気持ちが動く

さよなら

 

歌声 歌声 でも君は泣いていたんだね

 

無き声 無き声 僕は気づけなかった