読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

DECEMBER'S CHILDREN @ 赤坂BLITZ 2016.12.2 (SPARTA LOCALS)

 最後にうちの弟と東京でライブを見たのは2011年。

 中野サンプラザでのRiddim Saunter Farewellライブ。

 その時弟は高円寺に住んでいた。
 だから、弟と二人で東京に「行く」ということになると、もう少し前にさかのぼる。

 

 2009年9月23日。

 

 SPARTA LOCALSのワンマンリサイタル「ラストダンスはあなたに」。

 SPARTA LOCALS解散ライブだった。

 ライブが終わり、自発的に観客全員がスパルタの名曲「トーキョウバレリーナ」を合唱、AXの外に出でから多幸感と喪失感でバラバラになりながら弟が

「ありがとう、スパルタ」

と言ったのを、はっきり覚えている。

 


 そして7年後、2016年12月2日。

 

 7年前は独り身だった弟も結婚し、今は一児の父だ。

 僕は身分こそ変わらないものの職を二三度変え、VJなどの活動を始めた。

 時間とともに変わるものがある。時間がたっても変わらないものもある。

 

 移動中、車内でオザケンが流れ出した。

「昔から好きだけど、最近はオザケンがいいんだよな」

と弟が言う。

 

 その両方の意味を考えているうちに第一目的地の神立へ。

 車から電車に乗り換える。


 7年間、何かあるごとずっと弟と話をしてきたこと。

「もう一度スパルタが見たい」

 それをかなえるべく、東京へ向かうために。

 

 今回のライブは単独ではなくイベントだったが、スパルタローカルズのライブは定刻から若干押して始まった。

 

 スパルタローカルズ、オリジナルメンバーの4人がステージに上がる。

 始まった一曲目は「バイオレンスサマー」。

 

 スパルタの解散ライブ「ラストダンスはあなたに」で最初に演奏した曲。

 2009年は上手の中ほどで見ていた。今回は僕はちょうど反対側にいる。

 時間が2009年と2016年を行き来する。

 

 僕は初めて、スパルタローカルズが帰ってきたことを実感した。

 その一音一音を、2016年のスパルタの音を、体に染み込ませる。

 

 バイオレンスサマーが終わり一呼吸空け、余韻に浸ろうかとした瞬間、あのギターリフが僕の脳神経を切り裂いた。

 

 黄金WAVEだ!

 

黄金WAVE

縁石の上滑り切って「公道に!飛び込んだ!」
俺たちどっか行くつもり「退屈、退屈、退屈だ!」
光るボートが意味を誇示する
白けた街が今んとこ俺たちの「海!」

高層ビルの影抉った「孤高の!スキル!」

思いは例の女の子「嗚呼マリア、マリア、マリア」
あなたと二人
どこか遠くへ行けたらいいねとか軟弱なこと思った「今!」

下らん冗談に後ろめたさなど感じたくはない
そう思った
笑いすぎて疲れ切って眠くなり
少し目を閉じた

黄金の波を待ち焦がれているさ
世界が突然輝くロマンに酔ってる

黄金の波が迫り狂ってるんだ
俺は飛び上がり叫ぶのさ 波だ!「来たぞ!」待ってた!

ねえ、バカのようだろ?
ねえ、嘘みたいだろ?

 

 「」の中が、別にやれというわけではないのだけど、客が全力でレスポンスするところ。

 これぞスパルタ

 スパルタのコールアンドレスポンスは「オイ!オイ!」とか、アーティストが歌ったところを続けて歌うようなのじゃない。

 自分も入り込むのだ。

 黄金WAVE、THE CLUBはその極致。

 半分くらいはお客さんのパートなのだから。

 

 全力の黄金WAVE。

 そういえばここ数年、ライブで全力を出すことはなくなっていた。

 年齢だからというより、周りの人たちのノリを一歩引いて見てしまう自分がいた。

 少なからず音楽とかかわるようになり、周りの目を気にするようになったからかも知れない。

 でも、今日は別だ。こっちは7年、この波を待ってたんだ!

 

 それを察してか、本人たちも爆発したいのか、7年ぶりのスパルタはこんなものじゃ止まらなかった。

 

 次の曲もちょっと歌詞がおかしい、世界観もおかしい。
 そして我々のパートは「バン!ザイ!バン!ザイ! バン!ザイ!U!F!O!」だ。

 UFOバンザイ。

 バンザイ、UFO、というその歌詞で1000人が飛び、叫ぶ。

 宇宙人にUFOで撥ねられた、じゃあ友達になろう、というその世界観に1000人が踊り狂う。

 こんなの世界広しといえどスパルタだけだろう。(HINTOもそんな気はする)


 脳内がジャックされ、ロックされる。

 完全に出来上がった我々にドロップされた次の曲は僕たちとスパルタをつなぐあの曲。


 ロックとハニー。

 7年前のあのとき「終わること、考えているって? ハニー、永遠はロックンロールと君だけさ」と歌われた時少なくとも僕は、永遠なんてないということを深く刻みつけた。

 コウセイはどんな思いだったのだろう。

 だけど、きっと永遠はある。あきらめさえしなければ、忘れさえしなければ、それが永遠なんだ。


 次の曲が終わり、コウセイがギターをおろす。

 それだけで次の曲がなんなのか、客のほとんどがわかってしまった。

 

 その事実が僕をたまらなくうれしくさせる。

 赤坂BLITZにいた人は、誰一人スパルタのことを忘れていなかった。

 多分僕と同じように、折につけ映像を見たり、曲を聴いたりしていたのだろう。

 だからこそ、コウセイが次に何をするのか分かったのだ。

 

 僕ももちろんそれを察し、臨戦態勢。

 あふれた期待が言葉を突いて出てしまった人も数人いた(笑

 

 「ばかやろ・・・」「ばか・・・」


コウセイがしょーがねーな、という感じで一気にギアをトップにあげ、叫ぶ。


「バカヤロウ!!!!」


 ライブはここまでのボルテージを一気に更新し、今日のライブはスパルタローカルズ完全勝利だな、と思ったその時。

 

 誰もがもう一度と思っていたあの曲。

 

 スパルタローカルズというバンドは、決して大きく売れたわけではない(と思う)。

 そんなバンドを愛し続けた僕たちはマイノリティなのかもしれない。

 それがなんだ。

 大事なことは、スパルタは最高のバンドだということ。それで十分だ。

 そして、俺たちはトーキョウのバレリーナだっ!!!!!!

 

 あまりにも短いスパルタの復活劇はアンコールにGRUNGY SISTERをやって終演。

 

 欲を言えば聞きたい曲はもっとあった。

 夢ステーション、THE CLUB、まぼろしFOREVER、APOLLO

 

 でも、それは来年にとっておこう。

 スパルタローカルズは来年も続くのだ。(もちろん、HINTOも)


 2009年、スパルタの解散でライブに情熱を向けられなくなった自分に言ってやりたい。

 

「大丈夫。格好悪いビートは、2016年も続いてる。そして、これからも!」と。

 

 

2016.12.2 DECEMBER'S CHILDREN in スパルタローカルズ @ 赤坂BLITZ

1. バイオレンスサマー
2. 黄金WAVE
3. UFOバンザイ
4. ロックとハニー
5. POGO
6. ばかやろう
7. ピース
8. トーキョウバレリーナ

EC GRUNGY SISTER