今更TEENS ROCKの時の話

 一度行ってみようと思っていた、TEENS ROCK HITACHINAKAに行ってきました。

 

 

 多くの人が恐らくそうであるように、僕も「高校生バンドの選手権でしょ?」と、数年前は思っていた。

 

 でも、この二年間で多少なりとも音楽に携わるようになり、高校生が音楽をやるということのハードルの高さ、そこを越えた子たちの情熱はすごいなあ、と思うように変わったのです。

 

 まず、好きなライブに行けない。

 お金がないから。時間もないから。

 そんな中、時間を割いてライブに来てくれる高校生たち。

 さらにそれを自分でやるってことのハードルの高さ。 

 考えによっては、高校野球や高校サッカーの方が楽かもしれない。勿論辛いこと多いだろうけど、やることに対する大人の理解がある。


 しかし、音楽イベントはそうではない。大人が見たとき大抵の場合【遊び】だと思われてしまうだろう。 

 プロのサッカー選手になるって言った時、応援してくれることはあるだろうけど、プロのアーティストになるなんて言ったら「お前はそんな夢なんて追わずに勉強しとけ」と言われるのが目に浮かびますよね。


 でもそれは僕は間違いだ、とここに言うと思う。



 そうではない。

 どちらも同じ青春なんです。

 

 

 もちろん、プロではないのだから、演奏もパフォーマンスも未熟な点は多くある。野球だって、サッカーだってそうだろう。

 それでも、それを補って余りある情熱、衝動は決して「高校生の選手権でしょ?」で片づけてはいけない。

 

 甲子園を見て大人が球児たちの一挙手一投足に一喜一憂する。それと全く同じドラマがある。

 

 そして、今回は、ウチのイベントに遊びにきてくれる子が、とても一所懸命に動いていた。

 自分が高校生だった時、こんなに情熱持って動いてただろうか。

心から羨ましくなった。


 35になっても、まだまだ新しいことへの挑戦はできる。でも、若い内に何かをやる、ということだけはもうどうしてもできないんだ。

 


今回出演のバンド、北は北海道から南は鹿児島までの合計15組。

 

かぽあちあテルテル帝国(宮城)

gloomy mother goose(東京)

SATISLIFELL(滋賀)

mana(茨城)

どろっぷ。(東京)

NOAH(鹿児島)

THE PULSE(千葉)

the Village Papas(千葉)

Bob Jack(東京)

MR.SKY(埼玉)

Ru:kiss(北海道)

ゆーとぴあ(東京)

RebellioN(千葉)

Uppernude on Suspender(宮城)

Red Score's(岐阜)

 

多分、彼らにとって水のステージは人生初の大舞台だろう。

ライブハウスの狭い空間ではなく、屋外。

 それって、どんな気持ちなんだろうなあ。

 


朝の時点での天気は晴れ。

僕がいつも行く移動珈琲屋台「SWEET JOKER'S CAFE」さんは、太陽の直射が厳しいので窓にシェードを取り付けていた。それくらい午前中は暑かった。 

ところが午後、急に海からの風が吹き始めた。

海からの風は湿った海の空気を運び、陸地で霧に変わった。

気温がぐんぐんさがる。

 

そんな中登場したのが、今回優勝した The Village Papas。


圧巻。

演奏を始めるタイミング、間、曲のクオリティ、ステージング。

全てが他を圧倒した。

 

他のバンドが悪かったわけではない。

manaの曲は昼下がりにマッチし、ふわっと漂い始めた霧と相まって幻想的に響いた。

一つとして同じバンドはなく、どのバンド/個人も全てが「さすが全国大会」と唸るだけのものだった。


 でも、それでも、今回の優勝バンドは完全に頭一つ抜けていた(と…個人的には。あくまで個人的には思いました)

 The Village Papas。

  来年もこういう出会いがあるといいな。


 ほいでは、また。