親愛なる君よ、幸せであれ(赤色編、紫色編)

 今、このエントリを書いている僕は二人の人のことを考えています。

 

 

 

 舞台に上る人間というのは、多かれ少なかれ魂削ってます。

  どんどん小さくなってしまうものではないんですが、削るのは大変です。

  僕も何度もそう思ってきました。でも、新しく削れる場所を見つけたり、まだまだ行ける!と思い直したり。

 

 僕はいつまでたっても素人から抜け出せないやつです。

 でも、そんなでも舞台に立っている以上、プロの凄さはほんの少しだけわかります。

 

 衝突、誹謗、中傷、伝わらない、受け入れられない、先へ進めない。

 

 それだけではないでしょうが、そういうネガティブなものを全部受け止めて、それでも続けようとするのは…とどのつまり、単に

「それが好きだから」

って事じゃないかと思います。

 

 好きで、好きで、好きで、好きなんです。

 それだけ単純な感情だから、どれだけ辛くたって結局やめられないんです。

 逆に、単に「楽しい」ってだけじゃないからこそやめられないのかもしれません。

 楽しいだけの事で得られるものなんてたかが知れてます。何度も辛酸をなめ、苦渋を味わい、それでもその分だけ輝くことを知っているから…かもしれません。

 

 

 一度舞台に上がってしまうと特にそうです。

 僕自身、何度も「もういいんじゃないかな」と思うことはありました。

 何の為にやってるのかわからなくなったり。そもそもなんだ、為、って?

 

 そのたびに、

 

「これをやめたら、もうあそこにいくことはないんだな」

 

 と思ってしまい、結局やめられずにここにいたります。

 結局僕も好きなんです。どれだけスケジュールが厳しくても、いい年して…といわれようと。

 そういうことが好きなんですよ。

 

 

 

 

 でも、中には「やめる」という決断をした人もいます。

 僕は、そういう人のこと、とてもすごいとおもうし、心から、この先も「頑張ってほしい」と思います。

 

 絶対に続けたいんです。つらい思いをしてそこまでやってきてるんですから。

 やめたいわけがないんです。

 

 でも、そうする理由ができてしまう。

 

 新しい夢、あるいは、現実。

 

 

 もちろん、どちらもやるという選択肢だってあるのです。

 でも、それはしない。

 

 

 もちろん、両方できる人もいるでしょう。

 

 でも、冷静に考えたとき、両方は自分にはできない。

 

 

 両方続けることは、これまで苦楽を共にしてきた仲間にも嘘をつくことになる。

 誰よりも自分の事をわかっていて、誰よりも正直で、誰よりも仲間想いで、プロフェッショナルだからこそ「やめる」という決断ができるのです。

 

 

 適当にやってるやつが「辞める」というなら、いくらでも説得できるでしょう。

 まあ、もちろんそんなやつを説得する気なんてないんですけど。

 

 でも、逆に、本気でやっている人が「辞める」といったら…一緒にやってきた仲間でさえ説得するのは難しいでしょう。

 まして部外者の僕にそれを止める術なんてないのです。

 

 

 だから、せめて、気持ちよく送り出してあげたい。

 これから先、その人が選んだ道が幸多きものであってほしい。

 集まる/集まった 人は、みんなそういう気持ち なんだ/だったんだ と思います。

 

 

 さよならとはいいたくないから、いわないんだ。

 

 

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笑いあった日々を いつか笑いあおう

大好きなあなたよ 幸せであれ

信じあった日々を 僕は忘れない

親愛なる君よ 幸せであれ

 

LOST IN TIME / 手紙

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