僕の家の近くに、メロンパン屋が出来た。
都会でメロンパンが流行っていたのが半年くらい前だった気がする。僕の地元には、その流行が半年遅れでやってきたわけだ。
でもまあ、出来たものは出来たもので、一回は食べておきたい。都会には魔物が住んでいるため、そうそう出かける機会もないですし。そして何より、味を知らずに批判は出来まい、と。
真っ当な理由を付けたものの、やはりただ田舎者の血が騒ぐだけなのだ。急ぎ120円を握りしめると、ダッシュ&バイシクルでメロンパン店へ向かう。事前の噂では、結構並ぶという話だったのだが、平日だからか、全く人が並んでいない。
田舎者でも半年も前のものには食いつかないのか?それともまさか、お味の方が....
ちょっぴり後ずさりつつも無事に購入。においは...悪くない。甘い匂いが、甘党の僕にはたまらなく良い。
しかし、肝心なのは味である。さあ、並んでいないメロンパン屋のお味や如何に...。
ところがそんな心配をよそに、食べてみると美味しい。
ただ、これは既にメロンパンではないのではないか、という気がした。
まあ、メロンパンはその形からそう呼ばれているわけだから、形で判断するならメロンパンに間違いない。
でも、中身のふわふわ感や、妙に卵っぽい味は、どう考えてもメロンパンにしておく必要性はないものだ。
別の新しい名前を考えて、新製品にしても十分売れる。
それでもメロンパンなのはきっと、戦略なんだろう。
メロンパンは大人をノスタルジックにする。子供の頃に味わったメロンパンよ、今一度、と。ところが、いざ食べてみると美化された思い出以上に美味しいメロンパンが、有るわけだ。
なるほど、ヒットしちゃうのも頷ける。
あと3回くらいは食べてもいいかなと思った。ここのメロンパン。
でも一番美味しいのは、勝田駅前「ナカムラ」のメロンパンだ。こればっかりは譲れない。